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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第六巻九回　　BLみそひともじ彷徨纏め・弐
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
さて、つらつらと綴って参りましょうか。

今回は第五巻弐拾壱回にてお送りしました企画
を再び、と言う事で筆者が別口で運営しており
ますBL特化短歌ブログ「BLみそひともじ彷徨」
の過去掲載作品を拾い纏め、御肴に供したいと
思います。
お愉しみ戴ければ幸いです。

○●○

ふと落ちた栞代わりの御神籤に
まだ祈っている縁の継続

参考書折ある毎に読み返す
余白の恋文読みたさ故に

口元の一筋の紅手を合わす
己の器の浅さを呪い

身を震う懐炉要らずの頃過ぎて
布団の温みも実用として

追い追われ月太陽の距離感か
間の地球も現実に居る

ネクタイを共に選ぶも逢瀬なる
静かに散らすネタの応酬

脳内の血潮ばかりが熱くなる
「いっそこのまま」獣が誘う

恋詰る言葉にそっと背を向ける
常識ばかりで情無き故に

雪はただ淡々淡々降り溶ける
伝える事せぬ恋にも似て居

手を繋ぐただそれだけの事なれど
常識邪魔する恋も挫ける

学ランにのそり蒸気をかけている
残り香抜ける事厭いつつ

連休と浮かれてばかりの僕を見て
あなた溜息手に参考書

マフラーを借りたは良いが立ち往生
さり気に強き君が残り香

日めくりを破り取る手の恨めしや
いっそ時計も壊したくなり

餅を焼く喰えとばかりに次々と
観せた惑いのその腹癒せに

遠くから臨むばかりの灯であれば
いっそ途絶えて坏と嘯く

淡々と面を照らす電飾の赤緑往還心の如く

とつとつと鳥居の朱の褪せている
二人の日々を反映しつつ

朝の群れ携帯電話に何を訊く
吾ただ一人恋歌をきく

ひらひらとポインセチアの矢車が
二人の心射すくめていて

柿残る標の如く点るごと恋の迷いを導く様に

透かし観る血潮の熱さ信じたく
されど身を退く傷に怯えて

おちこちを作り出すのも只心
惑いに溺れ何見失う

蜘蛛の糸誰の為にぞ強くなる
視えぬ糸故尚更なるか

溺るまい透けたる糸故慎重に
元は儚き想いであれば

背け合う眼差し語る何語る
煩わしいの一言語る

泡沫の檻ぱらいそと感ずるや
強き一歩に背中を向けて

無邪気さに回帰欲する時もあり
されど戻れぬ選びし故に

暖の為一椀求む胸算用
そうしてそれを二膳の箸で

薄布団朝陽の中で二人居て
冷えた名残を只舐めあって

○●○

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて
戴きます。
では次号配信まで、御機嫌宜しゅう。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第六巻九回　2009.5.10発行

文責：葡萄瓜XQO
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