仇花の記憶〜ごく私的なやおい歴史記録〜
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号外其の一　　華宵好みに酔い痴れて
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ごきげんよう。葡萄瓜でございます。
立て続けに『号外』抔と言うものを皆様に送りつける
この浮かれ様。何かの前触れで無ければ宜しいのです
が。
この一文では増刊第二回にてチラと触れました高畠華
宵の絵に触れた際の拙き感想をお伝えしたいと思いま
す。お付き合い下さいませ。

増刊第二回の稿を打ち上げましてからふと高畠華宵の
事が気に掛かり、一冊の本を手元に取り寄せました。
『別冊太陽　絵本名画館　高畠華宵　美少年・美少女
幻影』（85.7.25初版/94.12.5四刷発行/平凡社刊）が
その一冊であります。
………酔わせて戴きました。
日本画の凛とした雰囲気を持ちながらモダン。妖艶で
ありながら清楚。美少女の肖像さえも少年の様に凛と
していて不要に媚びる事が無い……況や少年画の『男
であって、男でない』その年頃ならではの柔らかさ。
単なる耽美では無く、眉目秀麗なる耽美と申し上げた
方が良いのやも知れません。
華宵は第二次世界大戦後は絵本・日本画を中心に活動
していたと年譜からは読み取れます。少年誌少女誌に
絵を描き続けていたのは大正から第二時世界対戦前ま
での二十五年間程だった様です。其の頃の作品である
にしても色褪せた感覚が本当に無いのですよ。
良い物を見直す機会が出来て本当に良うございました。
ちなみにこの本に納められている絵に描かれている人
物、全体の三分の二が美少女に属するにも拘らず書名
で美少年を先に立てているのは何かの意図在っての事
でしょうか？美少年画のインパクトが強いと言うのは
良く判るのですが…。
とまれ、是非一度御覧戴きたき一冊であります。既に
御覧になっていたのであれば是は筆者私の不明の致す
不徳。差し出口深くお詫び致します。

では、此度はこれにて。
宜しければ増刊第三回、若しくは本編第二回にてお目
汚しをさせて戴きます。

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【註記】
愛媛県に高畠華宵大正ロマン館なる関連施設あり。
この施設には公式サイトも存在しており、其処でも
華宵の絵に触れる事はできる。
お近くにお住いの方は足を伸ばされる事をお薦めする。
ミュージアムショップにて好みの品を求めるも一興で
あろうし。

『高畠華宵　美少年図鑑』なる一冊が刊行されていた
そうである。平凡社刊・01.2.7初版であったとの事。
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仇花の記憶〜ごく私的なやおい歴史記録〜
号外其の一　　2003.5.24発行

文責：葡萄瓜XQO
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