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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第二巻四回  型若しくは指
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
ではゆるゆると綴らせて戴きましょうか。

唐突ですが、読者の皆様は占いはお好きでしょ
うか?筆者は、好きとははっきり言えないけれ
ど気になると言う煮え切らない口の人間でござ
います。
ネット上には昨今様々な占いが溢れております。
ショタやおい方面に特化した占いも勿論御座い
ます。キャラクター診断と銘打たれていたり
〜度チェックと銘打たれていたりするものです
ね。この占いの分野で命脈を繋いだり又隆盛を
誇っているジャンルもある様ですが。
総体としては結構な数がある様に見受けられる
この占いシステム。その流行の影にはネット対
応型携帯電話の普及も一役買っている様です。
携帯電話専用のサイト構築システムが在るので
すから、今更驚くに値しない指摘ではありまし
ょうが。それに加えて余り経験を要しなくても
誰でも気軽に作成できると言う支援システムが
成立した事も特記するべきかと思われます。

さて、この「占いシステム」の流行は本邦だけ
に限ったものではございません。海を隔てた英
語圏でもしっかりとございます。サービス的に
は若干海外の占いの方が優勢なのやも知れませ
ん。診断した上に認定属性の説明を示したバナ
ーを配布してくれるのですから。そのバナーに
使用されている画像の多くが本邦流通の画像を
無断転用しているものであるのが玉に瑕ですが。
閑話休題。本邦の占いと海外の占いを並べてみ
ると、興味深い違いに気付きます。
海外の占いが数種の質問から得た答えを統合し
て分析して回答を導き出すタイプ主流なのに対
し、本邦の占いはおみくじ形式が主流なのです
ね。分析タイプは全体の四分の一から三分の一
程度になっている様な感があります。
また、本邦の『占い』の場合、出た結果に只唯々
諾々と従うのみではなく、時には細部の違いに
ツッコミを入れて話題の一環として楽しんでい
る感があります。海外の場合は逆に自己分析や
ラベリングの一環と心得ている様な雰囲気があ
り、診断結果にツッコミを入れたと言う例は今
の所(筆者は)見ておりません。
この違いは何処から来るのでしょう?
本邦の場合、当の作成者にとっても利用者にと
っても占い=洒落の部分は大きいのだろうと見
受けられます。文字通り当たるも八卦当たらぬ
も八卦。一時の夢で愉しく思えれば良いじゃな
い、と割切っている部分もありましょう。
相性診断の発展形で似合う相手を選択できると
言う形式の占いも散見致しますが、それもまた
旧来の占いの様な堅苦しい真面目さ故にではな
く、軽やかな夢の一環として供給されている様
な感が在るのです。簡易ドリーム小説、とでも
言うべきものなのやも知れません。占いに触発
されて又占いが増殖すると言うのもまた興深い
現象です。
対して海外の場合、恐らくYaoiの発展過程に根
付いたシステム故になのでしょうが、強固な自
己主張の道具の一つとして占い(と言うか診断)
が起用されたのではないかと言う感があります。
診断結果を明示したバナーを発行すると言うの
はシステムの広告と言う一面もあるのでしょう
し、被診断者の主張明示の一助でもあるのだろ
う、と筆者は愚考するのです。
この違いを以って東西の文化許容云々を考える
のは早計ではありましょう。が、何かのヒント
にはなり得るかと思います。
占いで愉しんだり身を引き締めたりと言うのは
自身にとって有益ではありましょう。占いの結
果に自分が囚われてしまってはよろしくないで
しょうが。Web上の占いも、用法用量を守り、
適切に用いてこそ良き楽しみの薬味となります。
指南託宣と堅苦しく考えず、ヒントの一つと思
って付箋程度に思うが吉でしょう。

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて
戴きます。次号まで、御機嫌宜しゅう。
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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第二巻四回 2005.2.10発行

文責:葡萄瓜XQO
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