★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜 ☆ 第三十三回 ショタやおい日本史・拾遺 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆ 御機嫌よう。葡萄瓜でございます。 今回は第十六回「空蝉源氏小君拾壱態」及び 第十九回「ショタやおい日本史(一)」の拾遺、 の様なものをお届けしたいと思います。気楽に お読み戴ければ幸いです。 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ *空蝉源氏小君拾壱態*より 源氏物語 上 マンガ日本の古典3 長谷川法世:漫画/中央公論社/96.4.25初版 ISBN 4-12-403281-1 ★ 源氏物語 上 マンガ日本の古典3 長谷川法世:漫画/中公文庫(中央公論新社) 99.7.1初版/ISBN 4-12-203469-8 親本と文庫版とのデータを記述致しました。 源氏物語 第二巻 帚木 江川達也:漫画/集英社/02.10.23初版 ISBN 4-08-782699-6 ★ 源氏物語 第三巻 空蝉 江川達也:漫画/集英社/03.5.25初版 ISBN 4-08-782790-9 長谷川源氏には光源氏と小君の関係を示唆する 描写はただ一コマしかございません。夜具の中 で諸肌脱いだ光源氏が添い寝している小君に向 かって自分を見捨てないでくれとささやきかけ る、と言う場面でございます。 その一コマと江川源氏に於ける詳細描写とを比 較しますと、どうも江川源氏が霞んで観える時 があるのですね。長谷川源氏の場合、恐らく風 俗的な背景を知らずとも光源氏と小君の関係と はこう言うものなのだと納得させてしまう底力 みたいなものを感じさせられるのです。 江川源氏の濃厚な性的描写に個人として惹かれ る所はあるのですが、光源氏が小君を通して誰 を見つめているのか、と思い至ると少し醒めて しまう所もあるのは否定出来ません。 長谷川源氏の一コマは、雄弁に『小君もまた情 けの対象』と語っている様な、そんな気がする のです。 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ *ショタやおい日本史(一)*より 往生要集 一(全二巻中) 東洋文庫8 源信:原著、石田瑞麿:訳/平凡社/63.12.10初版 ISBN4-582-80008-4 第三衆合地獄にあると言う悪見処地獄について の詳細がここに記されている訳でございますが、 筆者は少々読み違えをしておりました。 この地獄には他所の子を稚児として行為を強要 した者が自らの子供と共に墜ち、自らの子供が 責め苦を受ける姿を見せ付けられつつ自らもま た倍増した責め苦を受ける地獄との事でした。 邪まな思いは、自らのみでなく血の繋がった者 の身をも滅ぼすと言う事でございましょうか。 また多苦悩と呼ばれる別の地獄には男色を行っ た者が墜ちたとの事。愛別離苦の繰り返しを強 要される地獄である様です。 後世の稚児物語の一群また衆道に於いて互いの 精神性を高め合う様な恋愛模様が垣間見られる のは、この地獄の存在が影響しているのでしょ うか。精神を高めあう事により、愛欲だけでな い別の道を拓く事を模索した結果、稚児物語や 衆道は生まれたのやも知れません。 ● ○ ◎ ● ○ ◎ ● ○ さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて 戴きます。次号まで、御機嫌宜しゅう。 ======================= 仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜 第三十三回 2004.12.10発行 文責:葡萄瓜XQO website:『仇花の記憶』 http://kamakura.cool.ne.jp/xqo/ mail:xqo_gm@yahoo.co.jp このメールマガジンは melma! http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00090840/ メルマガ天国 http://melten.com/m/14637.html Mailux http://www.mailux.com/mm_dsp.php?mm_id=MM3FAB47D02D533 Macky! http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=xqo メルカップ http://www.melcup.com/cgi-bin/magazine/magazine.cgi?mag_id=M000000737 マガジンすきやねん http://www.sukiya-nen.com/sys/m.cgi?id=xqo のシステムを利用して発行させて戴いています。 ご意見ご質問等はWebサイトBBS http://bbs.infoseek.co.jp/Board02?user=bxqo にて承ります。 又連動BLOG「ショタやおい雑記」も運営しております。 http://blog.melma.com/00090840/ こちらも宜しくお願い致します。 バックナンバーはサイト内にて公開しております。 再配信ご希望の場合はお手数ですがメール若しくは BBSにてご用命戴ければ幸いです。 ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆