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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第四巻拾参回  『耽美ショタ』は可能か?
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
さて、つらつらと綴って参りましょうか。

今回はメールマガジン上でちょっとした実験を
展開してみようと思います。
題目にもあります『耽美ショタ』と言う作風が
創造できるかどうかと言う実験です。先人の作
った形を敢えて無視し、状況の加減乗除をしな
がら紙幅の許す限り要点を挙げてみたいと思い
ます。
あくまでも実験ですので指南ではありません。
その点を先ず御含み置き下さいませ。

先ず大前提として主人公の設定です。
年齢はここでは中学1年と設定致しましょう。
理由としては簡潔に『幼からずさりとて育ち過
ぎにあらず』と申し上げて置きます。
容姿ですが、ここで耽美であるからと言って少
女と見紛う様な美しさや平均値を大きく外れた
様な等身を設定してはショタの要件から外れま
す。効果として巧妙に仕組まれた女装ならば範
疇内となりましょうが、単純に理由も無く女装
させているのは些か突飛になりましょう。それ
でも良しと言う向きもあられましょうが。
美しいとは言ってもあくまでもその年齢なりの
美しさ、少年と言う前提から外れない美しさを
念頭に置き、等身もせいぜい現実の平均値+1
程度を考えるが無難でよろしいかと思われます。
次いで主人公を囲む脇役達です。これは2つに
大別できるかと思われます。主人公と絡み、物
語を展開させる脇役と物語の舞台装置としての
役割しか持たない脇役:群集です。
先ず前者から設定致します。彼等は凡その場合
主人公より15歳以上は年長である方が良いでし
ょう。主人公を異なる美意識の世界に誘い、半
ば閉じ込めるのが彼等の役割である訳ですから
主人公を丸め込んでしまえる狡猾さと社会的な
地位が必要なのです。同時に主人公への若さへ
の嫉妬も無意識に抱くとより物語に深みが出て
参りましょう。そう考えると、10歳の年の差で
はまだ人間としてのえぐみが生まれて来難い感
じでありましょう。15歳年上…27、8歳辺りから
奥深い屈折も生まれて来ようかと。
人物像の傾向としてはいわゆるインテリ層の方
がよろしいかと思われます。肉体を誇示する様
な傾向でもよろしいですが、その場合何処かで
バランスを過剰にとる必要があるかと思われま
す。
さて、舞台装置としての脇役:群集設定と参り
ましょう。こちらも巧妙に考えておく必要があ
ります。何故なら彼等は主人公と脇役その1の引
き立て役であると同時に物語世界の舞台装置で
もあるのです。彼等に一切の人格を与えずに展
開させるのならば主人公と正反対の要素のみで
構成するのもまた一興でありましょうが、より
複雑な背景を持たせたいと思うのならば、彼等
の様な立場の者こそ作りこんでおくべきかと。
個々の露出が少ない分、却って個となった時に
印象が深まる様に。
さて、では舞台設定です。
主人公が少年である訳ですから、凡そ無難なの
は学校と言う事になりましょう。家庭を選ぶに
しても一般家庭ではなく貴族華族富裕層に準じ
た設定がよろしいでしょう。
この選択肢が限定されるのが耽美と普通のショ
タとの違いであろうかと筆者は思います。耽美
とはあくまで美意識に準じた物語ですので、美
しさによる世界観の拘束が常に無ければいけな
いかと。
饒舌な様でいて決して饒舌ではない物語展開で
あるのだと思います。普通のショタで十喋る所
を六か七程度に抑え、後は雰囲気で感じさせる
展開にする、と言うイメージでしょうか。
性的展開が存在したにしても、行為そのものを
書かずに前振り或いは名残だけで匂わせ、それ
でいて関係の生々しさは必要以上に浮き彫りに
する、と言うのが耽美と言う物語間に基づいた
ショタ物語の展開であろうかと筆者は思ってお
ります。
本邦の古に流行した『稚児物語』の一群とは似
通っている様でどこか違う…西洋の古ともまた
どこか違う様な趣の物語なのでありましょう。
さて、ここまで挙げた点を押さえて物語が書け
るかどうか…はまた機会あらばと言う事に致し
ましょう。

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて
戴きます。
では次回配信まで、御機嫌宜しゅう。
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稚児物語:
本邦において鎌倉時代前後から室町時代にかけ、
お伽草子の一ジャンルとして成立した一群。
主題は主に僧侶と稚児との恋物語であり、大体
が稚児愛を前提として展開された物語。
絵画表現としては『稚児草子』『稚児観音縁起』
『芦引絵』が現存。文章表現は多く「群書類従」
に所収されている。
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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第四巻拾参回 2007.7.10発行

文責:葡萄瓜XQO
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