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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第五巻拾壱回  ブックガイド今昔
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
さて、つらつらと綴って参りましょうか。

筆者は先日来縁あって或るレビューサイトにて
投稿子の立場にあります。時には書誌データの
入力も致しておりまして、色々記憶と資料を掘
り起こしながら向かう事もしばしば。まだまだ
端緒であると言うのに世間にはどれ程ボーイズ
ラブやショタ刊行物が増えたものかと改めて感
じ入っている次第。こういう掘り起こしは故事
来歴の掘り起しとも一味違ってそれなりの味わ
いがあるものでございます。
サテ、その際にふと思ったのですが。
かつて…筆者がやおいやショタ界隈を知り染め
し頃からある程度経って提示されたブックガイ
ドと、今現在のブックガイドでは、在り様が違
うのではないか、と。
かつてのブックガイドを羅針盤とするならば、
現在のブックガイドは篩に相応するのではある
まいか、と。

やおい初期及びJUNE初期、そしてボーイズラブ
黎明期からショタ黎明期にかけては、正直に申
し上げると選択肢が本当に少ないものでありま
した。商業出版物の選択肢と同人誌の選択肢を
比較すれば感覚として圧倒的に同人誌に於ける
選択肢の方が多かったのです。少なくとも表向
きは。
ですから、数多の商業出版物の中から隠れた・
隠された要素を探りとり案内する為の存在とし
てブックガイドが必要であった、と言えます。
その手の感覚と申しますか嗅覚と言うのは天然
にも存在しますが、何しろ黎明期でございます
故何分荒削り。実用に耐え得るものにする為に
はある程度の鍛錬と修養は必要とされましたで
しょう。上手の人はそう言う場で自己鍛錬を重
ねて感覚を研ぎ澄ませてお出でだった様です。
ではそうで無い人は数撃てば当たるという風だ
ったのか。いえいえ、決してそうではありませ
んでした。なんとなればそれなりに場数を踏め
ばそれなりの嗅覚眼力は備わるものです。場数
を踏まずに性急につまむから誤謬も生まれるの
でありまして。
ですから、往時商業出版にて刊行されたブック
ガイド…と言っても一点+αでございますが…
は吟味され研ぎ澄まされたものであった、と筆
者は認識します。

それから時は下り、やおいショタボーイズラブ
の刊行物は専門のコーナーを設けられる迄に成
長致しました。店舗によっては売り場面積の三
分の一がボーイズラブ関連と言う状況もある様
でございます。
そう言う状況に加え、読者側の嗜好も細分化の
一途を進みつつあります。至極当然でありまし
ょう。選択肢が増えたのですから選ぶ自由が発
生する訳です。耽美かボーイズラブかそれっぽ
いものかと言う基本的な選択肢しかない状況を
脱し、如何言う耽美、或いは如何言うボーイズ
ラブが欲しいのかと選べる様になったのです。
出版レーベルの増加も幸いしましたし、新進作
家の登用も多くなったのが幸いしていたでしょ
う。但し反面として足取りが段々透明になる作
家さんも又ある程度居た事は否めませんが。
閑話休題。
作家さんも増え、作風の幅も増え世間一般に比
べればまだ狭い間口ながらも賑やかになって参
りました。しかし、一つだけ増えなかったもの
があったのではないでしょうか。
寡聞ながら筆者は、BLレーベルの文庫目録乃至
ノベルズ目録の類を老舗のルビー文庫のもの以
外では目にした様な覚えがございません。出版
目録があればまだ探すよすがが出来ようと言う
ものですが、その点だけはネット環境が整備さ
れる迄はほぼ織り込みチラシ・雑誌広告・そし
て店頭頼りであったろうと思われます。それ等
から判るものといえば書名・作者・出版者・IS
-BNと言う基本的な書誌情報のみで粗筋はたまに
梗概付きのものが出ないと掴み得る事が出来ま
せん。増してや受攻の傾向も掴む事が出来ませ
ん。ネット環境が出てきたと申し上げましたが、
流通環境の整備は確かにされたものの、書誌情
報から先の情報を掴むには、どうしても読み上
手の一助が必要であった訳です。
昨今のブックガイドは、書誌情報プラスアルフ
ァの補完の為に存在するのです。そして、その
プラスアルファは補足事項であって実は肝要で
あると言う部分なのです。
読むからには、心を揺らせてくれる一冊を読み
たいと誰もが希う訳ですから。
その為のブックガイドです。しっかり使い倒し
ましょう。今の所の筆者の杞憂は、ブックガイ
ドを選ぶ為のブックガイドが出なければ良いが、
と言う失笑ものの事態でありますが。

ただ、時には本屋に何の情報もなしに飛び込ん
で探検を試みるのも一興と個人では思います。
新規開拓の萌えも、又良いものです。

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて
戴きます。

ここで暫し事務連絡をば。

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では次号配信まで、御機嫌宜しゅう。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第五巻拾壱回 2008.6.10発行

文責:葡萄瓜XQO
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