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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第九巻弐拾壱回  回顧の一助・前編
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2011年3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震
(東北大震災)にて罹災した皆様方に心からお見舞い
申し上げます。
居住地の差異の為たまたま罹災しなかった筆者に出来
ます行動は限られておりますが、幾許かが皆様の潤い
に繋がりますならば幸いです。

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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。

今回は筆者がメモ代わりにまとめた「BL回顧年表」か
ら言葉の出典を主にした重要な事項を適宜抜粋し、某
かのお役に立つ様前後編に仕立てて供します。
参考文献・出典は可能な限り記します。

〇●○

1978年10月1日 
『comicJUN』(サン出版・刊)創刊 
中島梓が『少年派宣言』と題した一文を寄せる。
中島梓(栗本薫)のJUNEに対する姿勢・理念の礎とも
言える一冊『美少年学入門』のはじまりである。
以降彼女は1983年11月刊行の【復刊】JUNE13号に至る
まで毎号に『美少年学入門』を構成する原稿を寄せ
続けた。
後に『美少年学入門』は1984年6月に新書館から
単行本化され、1987年11月には集英社から文庫化。
更に1998年10月には筑摩書房から文庫化された。

1979年2月1日 
『comicJUN』3 号、『JUNE』と改題され刊行される。 
以降誌名は『JUNE』に定着。これが所謂「大JUNE」と
通称されるもの。 

1979年4月1日 
『JUNE』(『comicJUN』)通巻 4 号刊行 
編集後記にて誌名変更の理由が明かされる。 
《株式会社ジュンの商標と混同される恐れがあった為》
との事。 

1979 年8月 
『JUNE』一時休刊【国立国会図書館雑誌検索にて確認
可能】

1979年12月20日 
同人誌『RAPPORI(らっぽり) やおい特集号』刊行。
(発行責任者:波津彬子) 
収録された座談会(「らっぽり特別企画  やおい対談」)
にてやおいの定義を冗談交じりに話し合う。現行の原
義『山なし落ちなし意味なし』はここから由来するも
のか? 
なお座談会中には遡る事7年程前に既にこの定義に基づ
いた掌編が成立していたとの証言もある。 
【再録;「小説 JUNE」2001年3月号/通巻129号】 

1980年10月5日 
『ALLAN』(みのり書房・刊)創刊。
アニメ情報誌『OUT』増刊号としてスタート。 
途中独立刊行化するも1984年6月・通巻22冊にて『JUN
-E』のライバル誌としての歴史を閉じる。 

1981年5月25日 
『ふぁんろーど』(ラポート・刊5号掲載「ふぁんろー
ど★くりにっく」にて回答文中に「ショタコン」の文
字が登場。(74ページ) 
「ショタコン」の初出。

1981年10月5日 
『JUNE』、『劇画ジャンプ』増刊として復刊。 
以降『JUNE』ブランドは現在まで形式を変えつつも継続。 

1987年1月24 日 
別冊COMIC BOX1『つばさ百貨店』(ふゅーじょんぷろ
だくと・刊)刊行 
現在の二次創作ジャンル別アンソロジーの祖であると
思われる。A5 より幅が狭いムック形態。 

1987年7月1日 
別冊コミックボックス3『つばさ五段活用』―つばさ同
人誌傑作アンソロジー―(ふゅーじょんぷろだくと・
刊)刊行。 
こう言う内容の刊行物に『アンソロジー』と冠した祖
と思われる。A5より幅が狭いムック形態。 

1988年3月
青磁ビブロス創業。
(1997 年にビブロスに社名変更→2006 年に倒産後リ
ブレ出版として再生)

1988年4月20日 
FRESH PACKS『メイドイン★星矢』―星矢同人アンソロ
ジー―(青磁ビブロス・刊)刊行。
青磁ビブロス(後ビブロス→リブレ出版)創業間もな
い頃の仕事。 
この時点でカバー付A5版・ISBN付と言うアンソロジー
の流通形態が整う。 

1988年11月 
この界隈初の音声メディアと言えるカセットJUNEの創
刊。「鼓ヶ淵」(三田菱子原作)が第一号。 
往時大JUNEでも作品を描いていた中田雅喜がエッセイ
漫画「ももいろ日記」の一編に作品視聴所感を描き残
している。
(所収:「ももいろ日記 下」ユック舎・批評社/
1991.1.10 初版、71〜74 頁) 

1991年1月1日 
コミックマーケット第2代代表・米沢嘉博が『現代用語
の基礎知識1990』(自由国民社)掲載「マンガ文化用
語の解説」文中で《やおい》を独立項目として解説。 
“ヤマなしオチなしイミなしの略であり、ショタコン
と少年愛路線(JUNE派)が結びついて生まれたもの”
とほぼ断定。この基本定義は2002年版で米沢が解説員
を退くまで変化せず。 

1991年12月10日 
『イマージュ』(白夜書房・刊)創刊。 
キャッチコピーに“BOY'S LOVE COMIC”と冠する。 
「ボーイズラブ」と言う言葉の初出であると考えられ
る。 
考案者は編集プロダクション『すたんだっぷ』代表・
荒木立子(白城るた)とされている。 
【2004年8月、漫画家の河内実加が自身のWEB日記で
『“ボーイズラブ”はあらきりつこ(荒木立子)が命
名したもの』(大意)と言及。 
MacaMica-まかみか  Mika Kawachi's Talking  
http://www.asahi-net.or.jp/~rj4m-kwc/ 
DIARY→OLD→2004 年 8 月→6 日付記事】 
ただし現在の定義そのものではなく「耽美」或いは
「JUNE」の置換語と認識されていた節がある。 
また同日、勁文社より神崎春子の小説『瞳に星降る』
が“耽美小説 SERIES”の初回配本として刊行される。
この傾向の商業区分としての《耽美小説》はここに始
まったものと思われる。 
このシリーズはハードカバーであったが新書版の大き
さであり一段組であった。現行のBLノベルス版版組の
原型になったのでは無いかと思われる。 

1994年3月1日 
雑誌『Charade』(二見書房・刊)創刊。 
キャッチフレーズは“BOYS' LOVE for GIRLS”。 
白夜書房以外で「ボーイズラブ」と言う言葉を使った
嚆矢となる。 
定義は明示されていないが現行にかなり近いものであ
ると考えられる。 

1994年8月1日 
マンガ情報誌『ぱふ』(雑草社)8月号にて特集。 
「創刊ラッシュで戦国時代突入―『BOYS LOVE MAGAZI
-NE』完全攻略マニュアル」が組まれる。 
(52〜60ページ) 
『ボーイズラブ』と言う言葉の伝播に一役買った特集
では無いかと思われる。 

1997年4月 
青磁ビブロス、ビブロスに社名変更。 

1997年9月15日 
『b-Boy Zips』(ビブロス・刊)4号にて読者投稿の
一節に「BOY'S LOVE」と記される。(271 ページ) 
ビブロスの刊行物に「ボーイズラブ」と掲載された最
初であると思われる。 
 
1999年8月11日 
ネット上で「腐女子」の使用目撃例が報告される。 
【日記・Diary:1999.08 まで(赤穂 昭太郎 / Shota
-ro Akaho) 
http://www.geocities.jp/shotaro_akaho/diaryj-199908.html】 
腐女子関係の最古のネット記録と思われる。 
同時にこれは出典を明記できる現存最古の記録である
とも思われる。 

【以下続】

〇●○

此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて戴きます。こ
の後半は次々号・第弐拾参回掲載となります。
では次号配信まで、御機嫌宜しゅう。

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以上出典:
ボーイズラブ事象回顧年表:20121106版
http://xqo.ooh.jp/cc/by-sa/BLchronicle_20121106.pdf
http://bllogia.wordpress.com/2012/11/05/%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%96%E5%9B%9E%E9%A1%A7%E5%B9%B4%E8%A1%A8%EF%BC%8820121106%E7%89%88%EF%BC%89/

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以下喧伝です。

ニコニコ生放送「BL夜伽ラヂオ」
http://com.nicovideo.jp/community/co1391827
2012年1月5日(木)21時(午後9時)より開始。
★
毎週水曜日19時開始の30分から1時間の枠で毎週一人の
作家さんについてあれこれ思い出語りをさせて戴きま
す。通年で50人を取り上げる予定です。
詳細は上記ニコニコミュニティまで。
出演:黒猫ゆーすけ+ぶどううり・くすこ(筆者)
只今は配信に暫しお休みを戴いております。
過去放送に関しては大方記録動画として再録しており
ます。何かのお肴にして戴ければ幸いです。

お時間があれば、よろしくお願い致します。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第九巻弐拾壱回 2012.11.10発行

文責:葡萄瓜XQO(ぶどううり・くすこ)
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まぐまぐ
http://www.mag2.com/m/0000270330.html

merumo
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のシステムを利用して発行させて戴いています。

ご意見ご質問等は上掲メール宛、若しくはサイト内
設置メールフォームよりよろしくお願い致します。
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バックナンバーはサイト内及び各配信スタンドにて
公開しております。
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