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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第拾参巻参回  歳経て…
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2011年3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震
(東北大震災)にて罹災した皆様方に心からお見舞い
申し上げます。
居住地の差異の為たまたま罹災しなかった筆者に
出来ます行動は限られておりますが、幾許かが皆様の
潤いに繋がりますならば幸いです。

ごきげんよう、葡萄瓜でございます。
では、つらつらとつづって参りましょう。

当メルマガはお陰様で前身を含めますと14年に渡り刊
行させて戴いております。
当然、筆者自身も14年分歳をとっていると言う事にな
ります。
改めて考えますと、自身が歳をとってみた事で改めて
見えてきた事もございます。自分の感覚を形成してい
るものがどの年代に淵源を置くものであるかですとか
自分が傍観してきた物事の背景や波紋ですとか。
そこでふと考えます。
「BLの本質は時代によって変化したのか」、と。

筆者自身の回答は「否」です。
確かに筆者自身が傍観してきた黎明期直後の様子に比
べますとかなり広大になった感覚はあります。分類も
細かくなり、暗黙の内部規約も多くなっている様に感
じる方も居るでしょう。
しかし、忘れてはいけません。
昔は表から見える需要が少なかった分、対応する供給
も少なかったのです。従って流通ルートも開拓されず
一定確保の保証もされていなかったのです。
昔は試験管の中でほぼ一定濃度の下進んでいた発酵が、
今や25メートルプールの中で濃淡ばらつきながら随所
で発酵している様な感じかと思われます。
そう言う背景の変化を考慮せずに俯瞰すると躓きも容
易に起きるかと。
流行する作風の変化においても同じ事が言えましょう。
顔の輪郭の描き方を様々な判断基準にされる方もいら
っしゃいましょうが、あれはあくまでも作者が選択し
た筆致の個性の一つであり、多少の影響はあるにして
も時代や流行の代弁ではありますまい。
遺された資料を確認すればしみじみと実感できます。
今や耽美の象徴として称されるJUNE(傍註1)…所謂
大JUNEですが、表紙から一歩先に進んでみれば良い意
味で今日と変わらない空気が流れていると体感できま
しょう。それも発行年次を遡れば遡る程に。
それこそ初期の腐界隈はJUNE或いは後発のALLAN(傍註2)
しか専門誌と言う存在がなかった訳です。ある程度混
然とした内容になるのも仕方ないかと。
JUNEの純化が進んだのは二次創作再録商業アンソロジ
ー(傍註3)を踏み台にしたボーイズラブの流通が少し
ずつ安定し、そちらにある程度色々振り分ける事がで
きる様になったからだろうと筆者は回顧しつつ愚考し
ております。
そう言う感じで道筋を整理してみると、実は案外随所
で繰り返されている歴史的風景が散見されたりするの
です。世代交代の中で筋道を立てて伝承されていない
から新しい展開と思われているだけで。口伝だけです
と伝言ゲームの様に何処かで踏み外しがあっても最初
の答えを知らない人以外は修正できないでしょうから。

過去を知る作業は、地図が見当たらない内は正直戸惑
いしか覚えないものです。
しかし、一つヒントを見つけてそこから上手く道筋を
たどる事が出来れば、きっと先行きへのヒントに転じ
るでしょう。
遺されたものは、陰につけ陽につけ活用したいもので
す。

では、次号配信まで御機嫌宜しゅう。

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傍註1
1978(昭和53)年10月1日創刊。創刊時名称は『コミッ
クJUN』。第3号より諸事情により『JUNE』に誌名変更。
1995年11月1日発行通巻85号までB5版。1996年4月発行
通巻87号にて休刊。版元はサン出版→マガジン・マガ
ジン(1992年以降)。
創刊10周年記念企画として『カセットJUNE』を創刊。
現行BLCDの源流を拓いた。

傍註2
1980年10月5日、みのり書房よりアニメ情報誌『OUT』
増刊号として創刊。1983年6月1日独立創刊。1984年6月
1日最終号発行。通巻22冊。
創刊時はJUNEの追随誌と言う感もあったがその後サブ
カルチャー及びナマモノ寄りの内容も含んだ混然とし
た内容の誌面となった。

傍註3
1987年1月24日にふゅーじょんぷろだくとより刊行され
た『別冊COMIC BOX1 つばさ百貨店』が端緒と考えら
れる。その後1987年7月1日、同社より刊行された『別
冊コミックボックス3 つばさ五段活用―つばさ同人誌
傑作アンソロジー―』以降同種の刊行物に『アンソロ
ジー』と冠される様になり、1988年4月20日に青磁ビブ
ロスより刊行された『FRESH PACKS メイドイン★星
矢―星矢同人アンソロジー―』以降、カバー付A5版・
ISBN付と言う流通形態が整う。なお、青磁ビブロス
(後ビブロス・現リブレ出版)は1988年3月創業であった。 

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BoysLoveみそひともじ朗詠 
http://com.nicovideo.jp/community/co1421231
定例配信:毎月第一月曜日・21:00(午後9時)頃〜

雑談枠:「合切袋のプチ整理」
毎月第三月曜日・21:00(午後9時)頃〜

お時間がありましたらよろしくお付き合いください。

2016年(本年)1月より『BL夜伽ラヂオ』第四期を
配信致しております。

BL作家紹介放送「BL夜伽ラヂオ」
基本的に毎月第二第四水曜日・午後9時(21:00)頃開始。
概ね30分ひと枠配信
http://com.nicovideo.jp/community/co1391827
第3回配信は本日10日(第二水曜日)。
お題は「スカーレット・ベリ子」です。

併せてご愛顧戴ければ幸いです。

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以下、商業媒体告知です。
2015年8月20日に玄光社から刊行されました
『はじめての人のためのBLガイド』【表紙:宝井理人】
http://www.genkosha.co.jp/gmook/?p=8721 
http://www.amazon.co.jp/dp/4768306462/  
の企画・「私が選ぶ○○BLベスト5」の選者の一人と
して参加させて戴きました。
ご高覧戴けましたら幸いです。

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商業媒体告知、2件目です。
2015年11月25日より集英社から配信されている
電子書籍・ブリンクコミックスデジタル、
ことり野デス子先生「フダンシ革命」第2巻
巻末企画にて、ことり野先生と腐男子として
対談させて戴いております。
http://www.amazon.co.jp/dp/B0177H72ZO/
http://books.rakuten.co.jp/rk/42718e40b81938e788ce1e4a32558366/
ご高覧戴けましたら幸いです。

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商業媒体告知、3件目です。
宙出版・刊『このBLがやばい! 2016年度版』
(2015年12月12日刊) 
http://www.amazon.co.jp/dp/4776796627/ 
にて、当方はBL通の末席で「あなたのBL BEST5」
(コミック・小説)選者で参加しました。
更に「2014〜2015 BLニュースこの1年!!」(BL重大ニュ〜ス!!)
を書かせて戴き、加えてランキング発表後のBL座談会で
評論サークル・ガール社のユーホさん、BLの取り扱いもある
インターネットカフェ・和style.cafe AKIBA店スタッ腐さんと
鼎談させて戴いております。御高覧ください。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第拾参巻参回 2016.2.10発行

文責:葡萄瓜XQO(ぶどううり・くすこ)
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mail:xqo_gm@yahoo.co.jp
  :xqosy@aol.com(メールマガジン専用アドレス)
連動BLOG「ショタやおい雑記」
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のシステムを利用して発行させて戴いています。

また独自配信も開始しております。
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ご意見ご質問等は上掲メール宛、若しくはサイト内
設置メールフォームよりよろしくお願い致します。
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