仇花の記憶〜ごく私的なやおい歴史記録〜
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増刊第七回
海外やおいサイトの歩き方/言葉編
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ごきげんよう。葡萄瓜でございます。
今回の増刊号は海外やおいサイトで用いられ
ている言葉を小事典風に紹介して参りたいと
思います。
ネットサーフィンの際に拾った言葉に註釈を
加えておりますのでその点はご容赦下さいま
せ。
筆者が別サイトにて編集しております『やお
い事典』から抜粋編集させて戴きました。
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YAOI〔やおい〕
海外に於けるやおいの呼称である、がサイト
によってはイコール同人活動と解釈している
所もある。文化の溝の深さを感じさせる事例。
yaoigirl〔やおいがーる〕
『やおい少女』と言うマスコミ的なイメージ
語ではなく、やおい愛好家を表す単語、又一
種の称号として確立された語。
やおいは女性のもの、という意識を如実に表
現した語である。
yaoiboy〔やおいぼーい〕
男性やおい愛好家を指す語であり、同時にゲ
イ（slash）描写に近いやおい画像を表す単語
でもある様子。
slash〔すらっしゅ〕
海外で言う所のやおいと言う事にされているが、
実質的には登場人物の性癖をゲイに転化させた
二次創作作品と見た方が良さそう。
肉体的な描写の方に重心が置かれる事が多く、
又やおい視点から考えれば多情な登場人物が多
いのではとも思われる。
statement〔すてーとめんと〕
宣誓書（を記したページ）。サイト入場時に提
示され、yes/no選択式の簡略なものからいい加
減に読んで選択すると嘲笑を表現したページや
検索サイトに飛ばされたりするものまで様々。
イベント入場時にも用意されている模様。
海外ではやおいを見るにも自己責任がしっかり
と要求される模様。
disclaimer〔でぃすくれーまー〕
所謂『注意書き』。ジャンル説明や年齢制限説
明等で構成されている。日本よりも内容的には
厳しい模様。
lime〔らいむ〕
性的描写の過激さの度合いを示す言葉。
交接行為以前の描写を指して言う模様。
具体例を出せばキス・手を握る・雰囲気を醸し
出す…までのラインと推測される。
日本流表示に従えば『15（歳以下）禁』という
べきか。
lemon〔れもん〕
limeと同じく性的描写の過激さの度合いを示す
言葉。交接行為そのものの描写・類似描写を指
して言う。
日本流にいえば『R指定』というものに相当。
Citrus〔しとらす〕
lemon分類とlime分類の総称。やおい全般を指す
称号と思われる。
柑橘類には酸味がある→酸味は顔をしかめさせ
る≒やおい表現も（創作者本人及び愛好者以外
の）顔をしかめさせる、と言う連想からつけら
れた表記？
hentai〔へんたい〕
転用語。普通に使うと成人男子向けのコンテン
ツ・テキスト・画像等に冠される言葉の様だが、
時としてやおいサイトでlemon以上に過激、と
言うニュアンスで使われる事がある。
Yaoi-Con〔やおいこん〕
アメリカにて行われる「YAOI」創作者及びファ
ンジンの集会。
単なるイベントではなく研究会・ディスカッシ
ョンを含む総合イベント。
本邦の『日本SF大会』（※1）のやおい版と思っ
て戴ければニュアンスは近いと思われる。
yaoish〔やおいっしゅ〕
やおいがかった、やおいじみた、やおいに関す
る、の意。
やおい＋接尾語ishの合成語。
yaoiness〔やおいねす〕
やおいに満ちた、やおい塗れと言うニュアンス。
やおい＋（形容詞に添え性質・状態の意を作る）
接尾語-nessの合成語。
yaoify〔やおいふぁい〕
やおいする。日本での表現で言うと『やおう』
に相当。
やおい＋動詞生成接尾語-fyの合成語。
yaoifull〔やおいふる〕
サイトの形容詞として多用。やおい的、やおい
に満ちたの意。
やおい＋接尾語fullの合成語。yaoi-fullの表記
もあり。
yaoiholic〔やおいほりっく〕
やおい中毒。やおい＋（中毒を意味する接尾語）
holicの合成語。
複数形で『やおい中毒患者』を指す。
yaoiholism〔やおいほりずむ〕
yaoiholicよりも重症な「やおい耽溺症状」を意
味する。「やおい依存症」と訳する方が的確かも。
YAOING〔やおいんぐ〕
ごく稀に使用例がある模様。やおい中と言うニュ
アンス。
ArtWork〔あーとわーく〕
画像作品を指す。OriginalまたはFanと冠される
事もあり。又、Fanartと同一視される事もある。
OfficialArt〔おふぃしゃるあーと〕
主にアニメーション作品の公式サイトに於いて
公開されている画像。原則的には禁転載…の筈
なのだが、海外サイトでは何故かサイトの項目
にOfficialArtが存在している事がままある。
しかも其の中に明らかなスキャン画像が混じっ
ている事も。
Fanart〔ふぁんあーと〕
管理人自筆のジャンル同人絵の事。
コンテンツにFanartとOriginalとGallery（オリ
ジナルが無い事もあり）と言う分類がされている
場合、Galleryは十中八九スキャンされた若しく
は無断転載加工画像の陳列場と考えて良いだろう。
またはGalleryの中に更に細分化されてFanartと
Scansが案内されている事もあり。
scans〔すきゃんず〕
海外同人サイトに良く有るコンテンツの1つ。
日本商業アニメ・コミック及び同人コミックを
スキャンし（無断）転載すると言うコンテンツ。
時として日本のサイトから無断転載したイラス
トを有償販売する為の見本としてこのコンテン
ツを扱っている例もある。
Fanfiction〔ふぁんふぃくしょん〕
英語で（同人）二次創作文章作品の事。
kawaii〔かわいい〕
日本語の意味ほぼそのままに通用。BISHONENの
形容として使われる事もある。
bishonen〔びしょうねん〕
主に第二次性徴発現後の少年キャラクターを指
してこう呼ぶ様子。発現前のキャラクターは
SHOTAと称されていたりする。
bishounenと綴る事もあり。単にboyと称されな
いのは実写ゲイサイトの多くにBOYと冠されてい
るので混同を防ぐ為であろう。
かなり応用の利く語らしく、無断転載画像やス
キャン画像の代名詞として使われる事もある模
様。
shota〔しょた〕
ショタコンの理念に基づいた二次元創作（及び
その活動等）を指す。この表記はヘボン式であ
り、日本標準式表記の『syota』は海外ではまず
通用しない。
三次元の『ショタ』を指す場合は『LittleBoy』
が一般的との事。
shonen-ai〔しょうねんあい〕
（二次元限定の）少年愛の事。性描写の無いや
おいの雰囲気を漂わせた作品に冠される事が多
い。
shounen-ai表記もあり。ハイフンではなくスペ
ースで別ち書きされている事もある。又しばし
ばyaoi=shonen-aiと見なされる事も多く、yaoi
（shonen-ai）とされている事もある。
boylove〔ぼーいらぶ〕
（リアルな意味での）少年愛。
当事者を指す語は『boylover』。
原創〔ゆぁんしゃん〕
中国語圏で（同人）オリジナル（作品）の事。
裡網〔りーわん〕
中国語圏ではサイトの『裏ページ（年齢制限ペ
ージ）』に相当。
連線〔りぃぁんしぃぁん〕
中国語圏でリンクの事。
入口請自行尋找
〔るーこぅすぃんちーはんしんつぁお〕
日本語では『（裏ページの）入口に行きたいなら
私に問い合わせて下さい』的な文脈。中国語圏の
注意書きの一つ。
站〔つぁん〕
中国語圏でサイト/ホームページの事。
男同性戀〔なんとんすぃんりぃぁん〕
中国語圏でやおい/Boysloveを指す語。
男男情慾〔なんなんすぃんゆう〕
中国語圏でゲイ及びやおいの事を指す語と思われ
る。
網主〔わんちゅー〕
中国語で（サイトの）管理人。
*中国語発音に関しては発声記号を元に似た
感じの仮名に直しました。
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以上順不同にて言葉を集めて見ました。お役に
立てば幸いでございます。
では、月末の本編にて又お目に掛かりたく。
御免下さいませ。
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※1
日本各地で開催されるSF愛好家・ファンジンの集会。
プロからアマまで参加者は多士済々。今年で42回目
の開催を迎える。毎年ユニークな名称で呼ばれる事
でも一部では有名。
筆者の曖昧な記憶によればi-CON（開催地：金沢）・
DAICON（開催地：大阪）・コクラノミコン（開催地
：小倉）等がある。
本年は栃木にて開催。『T-con2003』又は『T3』と称
されている。
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仇花の記憶〜ごく私的なやおい歴史記録〜
増刊第七回 2003.6.24発行
文責：葡萄瓜XQO
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