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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第三巻拾七回  語りの温度差
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
では、つらつらと綴ってまいりましょうか。

つらつらと由無し言を連ねたり過去の資料発掘
をしていたりする筆者でございますが、時には
そう言うものをかなぐり捨てて萌え語りに狂い
たい時もございます。
実際萌えと言うのは発酵した感覚が生み出す熱
の様なものでございますから其の熱に身を任せ
てしまえば勝手に萌え上がれそうなものなので
す。ただ理性が少し邪魔をするだけです。
其の理性の邪魔加減によって語りの温度差と言
うものが発生する訳でございますね。

この語りの温度差と言うものは簡単な様で厄介
な存在です。焚き火の中に埋もれた炭が決して
冷たくは無い様に、冷静に見えても熱い萌えと
いうものも時には存在しますので。
萌えについての解説文一つをとっても、其の内
包する温度には微妙な差が存在するでしょう。
対象に就いて熱き萌えを抱きつつもそれを平坦
な言葉で先入観無く伝えると言う作業は決して
簡単なものではございませんでしょうし。

翻って。昨今ネットの一隅で見られる光景です
が。
萌えを一瞬燃え上がらせて発散してしまえば後
に何が残るでしょう。
ただ話の種が残るだけ、と一人達観するのも良
いでしょうが、それだけで済ませて次から次へ
と萌えを消化してゆくと言うのも少し寂しい様
な気が致します。
萌えの基盤ありきの消費通過なら或いは合点が
行くかも知れませんが、ただ時間を消費する様
に心の熱を発散すると言うのは傍から見てなん
だかな、と。
自分が心動かされたものに就いて語るのは決し
て無駄ではありますまい。それなりに語る事の
出来る場所は探せばありましょうし。
そう言う萌えの残滓もまた資料となりますから
何処かで拾われ補完される訳でございます。其
の侭採用される事もあれば、他の資料と照合し
て吟味される事もございますが。
萌えの基盤…それは壮々大仰なものが必要な訳
ではありません。唯対象を好きな気持ち一つあ
れば凡そ補完は出来ましょう。
其の「好き」と言う気持ちが昨今余り素直に表
現されていない様な。
其の点に於いて海外ではまだ感情表明に対して
大らかに迎えられている様です。時折傍から見
て既視感を覚え、じっと手を見て考え込んでし
まう時もございますが。
屈折した愛情表現も無い訳ではございませんけ
どね。
でも、其の屈折加減とても等しく分野に対する
愛なのです。温度差も含めて対峙するのもたま
には良いかと。
…どうも語りに就いて語ろうとすると難しいで
すね。距離感を整理するのに少し苦労しますか
ら。

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて
戴きます。
では次回配信まで、御機嫌宜しゅう。
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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第三巻拾七回 2006.9.10発行

文責:葡萄瓜XQO
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