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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第五巻拾参回  小説は眼で愛でる?
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
さて、つらつらと綴って参りましょうか。

皆様はボーイズラブ乃至ショタ作品に目を通す
際、小説を手に取る方が多いでしょうか?それ
とも漫画を手に取る方が多いでしょうか?
現状を観てみれば、手にとられたり語られたり
するのは漫画の方が多い様な感が致します。筆
者自身が手にとるのも確かに漫画の方が多いと
いう現実がございますね。
これは筆者の偏見かも知れませんが、昨今斯界
の小説は純粋に小説のみで語られるのでは無く
他メディア…ドラマCD乃至アニメ化…との連携
を以って語られている率が多くなった気がしま
す。
率直な感を申し上げますと、純粋に文章の力を
以って語られている作家さんの率が少しずつ少
しずつ絞られている様な感じです。

確かにボーイズラブ乃至ショタ小説単行本に挿
絵がないと物足りない、と言う感は否めません。
挿絵が最初から存在しなかった斯界の出版レー
ベルといえば、筆者が記憶する限り二見書房の
VelvetRomanシリーズ・勁文社の耽美小説SERIE
-S・白夜書房の白夜耽美小説シリーズ程度です。
いずれもノベルズサイズでありながらハードカ
バー装丁であるというのは偶然の一致でしょう
か?
閑話休題。角川スニーカー文庫九十年代初頭に
混在していたJUNE小説群には挿絵が確りとござ
いました。これは小説JUNE掲載の小説に必ず挿
絵が入っていた事に由来する、と言うものでは
なく、スニーカー文庫の先駆的存在・集英社コ
バルト文庫等の慣例に従ったものでありましょ
う。つまりは物語世界を観え易くする補助とし
ての役割であった、と考えられます。
その添え物であった筈の挿絵の役割が何時の間
にか文章を押しのけて陰の主役とも言える様な
位置になっている。その過程には幾つかの要因
があったものと考える事が出来ましょう。それ
により少なくとも他ジャンルの小説の挿絵とは
立ち位置が大きく変化したのは確かかと思われ
ます。
一つ仮説を申し上げるならば、挿絵による具体
的なイメージが確立される事によって小説は伝
播し易くなったのではないか、と。
確かに想像を逞しくしてイメージを膨らませる
のも小説を読む醍醐味ではあります。が、特殊
な場面に就いては想像する過程が煩わしくなる
事がございます。その煩わしさの手間を省き具
体的な資格を付与する事によって読み進める効
率が促進されるとしたら?
無論上記の過程が計算づくで行われた、坏と筆
者はおめでたく確信しては居りません。ただ読
み易さを選択する過程で無意識の内に取捨選択
が行なわれ、その過程で要素が採用されたかも
知れない、とは思っております。
どうせ印象を掴むなら雲を掴む様に曖昧模糊と
したものではなくそれなりの輪郭がはっきりし
た人物事象を掴みたい、と筆者も一読者として
考えます訳で。
無論、文章の力を見損なっている訳ではありま
せん。筆者とて端くれとは申せ小説を出力する
活動をしております。行間から滲み出る気配で
読者様に酔って戴いてなんぼだという考えもと
りあえず持っております。
然しながら、中編から長編小説となりますと偶
にイメージの道標が無いと何時しか印象がボケ
てくるという事もある訳でございまして。
粗筋への印象を途中で補完する為にも挿絵は必
要となるのでありましょう。これだけ様々な作
品が溢れている現状においては。

筆者は、小説における挿絵の存在を否定は致し
ません。むしろ歓迎する一人でありましょう。
然しながら、小説の底力や行間を補う為の挿絵
の存在には首を傾げておきます。
文章と挿絵の力が拮抗してこそ、名作は生まれ
るのであろうと一読者として信じておりますの
で。人力車も両輪が上手くバランスを取ってこ
そ粋に走るものでございますし。
……小説が刺身のつま扱いになってしまう様な
小説本が出ない事を静かに祈る日々でございま
す。恐々謹言。

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて
戴きます。

ここで暫し事務連絡をば。

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では次号配信まで、御機嫌宜しゅう。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第五巻拾参回 2008.7.10発行

文責:葡萄瓜XQO
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