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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第六巻五回  流行一考
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
さて、つらつらと綴って参りましょうか。

今回の御題は「流行」について。
どうも昨今ブームと言うのは創るものであると
短絡されて、その為版元側と読者側が少し乖離
している様なそう言う印象があります。
その辺りの筆者の思う所を少し書いてみようか
と。

例えばショタの流行を見ますと、商業出版を見
る限り現時点では女装が主流であるかの様です
が、それは必ずしも正確ではないでしょう。
たまたま販路を確保し易いのが女装であると言
う捉え方が出来ようかと。実際同人誌の現場で
どうかと言うと女装はあくまでも表現の一つで
あり、主流として大きな位置を確保している訳
ではありません。
そもそも主流傍流と言う考え方をするならば、
流行の先端=主流と言う考えは少し怪しくなり
ます。流行と言うものは最初は珍しいから求め
られるものでございましょう?
では、流行が過ぎてしまえばその表現の流れも
絶えてしまうのか?答は否です。二次創作のジ
ャンル流行推移の様に支える人が皆無になった
としたら絶えるかも知れませんが、オリジナル
創作の場合はそうそう流れが絶えるものではあ
りません。何方か一人は奇特な方が居るもので
す。そしてその方の下に自然と有志が集まり、
静かなうねりが又始まるのです。
尤も其の為には積み重ねると言う行為が必要と
なって来る訳でございます。しかしながら最近
はその積み重ねると言う前提自体が大いに崩れ
ている感もあり、後進が育っていないのではな
いかと言う危惧が若干あるのですが。
閑話休題。
果たして「流行」は誰の為にあるのでしょうか?
筆者が視る限りでは作者の為に存在はしていな
い様な気はします。では読者の為か?それも微
妙に否。下から突き上げる様にして興る流行の
手応えが今一つ最近ない気が致します。
そう言う面で見ますと、二次創作同人誌の世界
は流行の認識については健全であると言えまし
ょう。作者は同時に読者であり発行者でもあり
ます。そのアンテナが揺れるのは只好きと言う
感情に後押しされればこその事。そうでなけれ
ば愛好者が極端に少ない傍流とさえ認識されな
いイバラジャンルなぞ存在する余地はございま
せん。筆者も覚えがございますが、好きだから
仕方ないのですね。イバラだからと言って選択
から外せるならば苦労は致しません。
対して大きな流れには好きと言う気持ちを持っ
た人が多く集っている、只それだけの事です。
昨今では寄らば大樹の陰みたいな感覚で大きな
流れに乗る事を選択される方もお出でですが、
その後に何を遺せるかでその方の真価は問われ
ましょう。
そう言う直向きな熱がかつては商業側にもあっ
た筈なのです。あったと筆者は認識しておりま
した。スマートでは無く荒削りであっても、こ
ういうのもありますよと発掘する楽しみを読む
側作る側が混然一体となって楽しんでいた部分
があった、と思うのです。
それは昔と環境が変わったからだ、と言う考え
もありましょう。
創作者も発行者も一頃を考えると増加し、好み
も様々に選ぶ事が出来る様になった。そして、
読者がわざわざ筆を執って創作者としての草鞋
を履かずとも読者は生涯一読者としてふんだん
な実りを享受出来る環境が整う様になったのだ、
と。
その考えは確かに現状では一理ありましょう。
実りが既にある状況だけを知っている方にはそ
れが普通であるのやも知れません。
筆者もある種の飢えを体感せずにいたならばそ
れが普通と思っていたでしょうからそう言う考
えを否定する事はしますまい。
ただ、その状況が続いて無風状態が続けば後進
が出て来る事は中々ありますまい。精々が世代
交代に伴うものとなりましょう。
その停滞打破の起爆剤として流行の仕掛けは作
用する筈なのですが…思惑は別の停滞を生み出
す方向に作用しているのやも知れません。

多分停滞を無くす為の方法と言うのはそう大し
た事ではないのでしょう。
作品に対して思う所を自分の言葉で綴ってみる、
と言うのもまた一歩なのやも知れません。誰か
に何かを見せつける為の言葉ではなく。
或いは、自分の萌えの楽しみを呟いてみるのも
またありか、と。

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて
戴きます。

ここで喧伝事項を一つ。
来る3月21日の土曜日、大阪シキボウホール7F
大ホールに於いて開催される『CUTE☆6』
にて発行されるイベントアンソロジーに今回も
寄稿させて戴く運びとなりました。
御来場及び御高覧下されば幸いです。

では次号配信まで、御機嫌宜しゅう。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第六巻五回 2009.3.10発行

文責:葡萄瓜XQO
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