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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
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第七巻拾壱回  一年遅れの言葉として。
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御機嫌よう。葡萄瓜でございます。
さて、つらつらと綴って参りましょうか。

今回は、ある方への手向けと言う形式で筆者自
身の立ち位置を明示する試みを致します。

○●○

 謹啓、栗本薫様。
  当方が貴女の存在をしかと認識した始まりは
作家としてではなく、クイズ番組の回答者の一
人としてでありました。後に当方は貴女が二つ
の名義を使い分けた文筆家である事を確認し、
世間と言うものの広さを再認識したものでござ
います。
  当方が作家である貴女の存在を胸に刻んだの
はそこから幾星霜か流れ、当方の読書の幅が拡
がり出した頃。短編空想科学小説の名手として
貴女を改めて知りました。あの瞬間の心の動き
は、今も当方を戸惑わせる程熱いものでした。
  そして後に思想家言論家・中島梓としての貴
女も知る事になったのですが、どうも当方は中
島梓さんとは少々相性が悪かった様です。
  彼女が嫌いだった訳ではありません。只、言
葉をすぐに飲み込めずに持て余してしまい、後
から自分のペースで改めて噛み砕いて飲み込ん
でいた、そんな感じです。
  今なら何故中島梓さんの言葉が苦手だったの
かが判る様な気がします。それは、彼女の喋っ
ている案件について彼女の言葉しか拠り所がな
く、彼女の言葉以外に気持ちの持って行き場が
無かった、そう言う状況が存在したからです。
  後にその違和感は当方に対し『タナトス』と
言う言葉でリンクされる創作と評論二本立てで
明示される事となります。只、当方はそれらを
確認した瞬間実はそう大した衝撃を受けません
でした。
  何故ならそこに提示されていたのは大きな論
ではなく、作中人物の口先を借りた作家栗本薫
或いは中島梓と言う女性の個人的な思想であり、
その思想を明示する為に評論と小説は書かれた
のだと再認識出来たからです。
  栗本薫としての貴女の心中にも中島梓として
の貴女の心中にもJの世界を牽引した人間とし
ての誇りがあったのだと当方は思います。
  道なき道を切り拓かざるを得ない時代は、貴
女の思想言説=Jの世界総体の思想言説である
と言う自負を持つ必要もあったのでしょう。そ
して周囲もそれに甘えていた。にも拘らず、時
を経て拡大したJの世界は徐々に貴女から離れ
て行った。貴女がJの世界から離れたのではな
く、Jの世界の方が貴女から少しずつ離れてい
たのでしょう。
  Jの世界の功労者でもある貴女への評価が複
雑なものであるのは、貴女が総てを背負わざる
を得なかった状況からの竹箆返しであるのやも
知れません。あの当時伴走者がもし一人でも居
たならば…いや、埒もない繰言は止めましょう。
今でさえ完璧な伴走は至難の業なのですから。
  では、貴女の功績に正統に報いる為に遺され
た者はどうすれば良いのか。
  それは正負拘らず貴女の説に依存するのでは
見つからない解答なのでしょう。貴女の言葉を
用いたとしても私達は貴女に成り代わる事など
出来ないのですから。
  とりあえず私自身は、貴女の功績を認識しつ
つその前にあるかも知れない落とし穴に落ちぬ
様、これからもこの世界を見聞して行くつもり
です。
  作家としての貴女への敬愛が唾棄すべき何物
かに変質しない様、精進して参ります

○●○

さて、此度はこれにてとりあえず筆を擱かせて
戴きます。

ここで一つ喧伝を。

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では次号配信まで、御機嫌宜しゅう。

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仇花の記憶〜ショタやおい雑話〜
第七巻拾壱回 2010.6.10発行

文責:葡萄瓜XQO
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